ー電撃の6F、スプリント最強を手にするのはどの馬かー
今週から秋のGⅠレースが始まります。最初のレースはスプリンターズSです。このレースは中山芝1200mで行われます。スタートは外回りの向正面です。スタートしてからすぐに下り坂に入るので、ペースが上がりやすいです。また、外回りコースの3コーナーではカーブが緩やかであるため、ペースが落ちにくいところも特徴的です。最終直線では、高低差2.2mの急坂が待ち構えています。速いペースを保ったまま最終直線を迎えるので、最後は切れ味勝負というよりは、持続力勝負になると思います。そのため、スピードはもちろん、最後の急坂を迎えるための豊富なスタミナやパワーが必要になります。ペースはハイペース傾向であり(今年は登録段階で逃げ馬が3頭いるので、特にペースが上がりそうです)、ラップタイムは下り坂の影響で5F-4F区間で加速し、3F-2F区間、2F-1F区間で11秒台をキープ(展開によっては3F-2F区間も11秒台を切ることもあります)、ラスト1Fは12秒台で時計がかかることもありますが、ほとんどは11秒台で決着がつくタフな展開になります。極端なことを言えば、中山芝1200mは新潟芝1000m直線を200m延長したものだと考えています。
スプリンターズSまで、数々のローテーションがありますが、前哨戦であるセントウルSやキーンランドCを出走してこのレースに臨む馬が多いです。データ上、GⅡレースのセントウルS出走馬の活躍が目立ちます。その他に、北九州記念やCBC賞からのローテもありますが、セントウルSに次いで活躍しているのが東京芝1600mで行われるGⅠレースの安田記念に出走した馬です。ハイペースでスタミナやパワーが要求されるレースですので、距離短縮はプラスにな傾向が強いです。前走が安田記念ではなくても、過去に芝1400m以上のレースで活躍してきたスプリント馬はマークしておくとよいと思います。特に、芝1400m以上の重賞レースに勝利経験のある馬は要チェックです。
スプリンターズSは、過去のレース結果を見ると、荒れやすい傾向にありますが、やはりレースレベルは高いので、このレースを勝つためには、少なくとも前走は3番人気以内の評価を得て、3着以内の結果を出す必要があります。過去10年を見ても、ほとんどの馬が前走3番人気以内かつ3着以内の実績でスプリンターズSに勝利しています。しかし、昨年のジャンダルムのように大舞台のレースで中々調子が上がらなかった馬が素質を発揮することもあります。したがって、近走の成績で判断するだけではなく、追い切りやパドック、できれば返し馬で状態をしっかりと把握する必要があると思います。
今年のスプリンターズSは熱くなるレースになると感じています。ナムラクレア、メイケイエールの悲願のGⅠ初制覇なるか。ピクシーナイトの復活勝利なるか。数多くの有力馬の中で、どの馬が電撃の6Fを制するか楽しみです。まずは、各レースの分析を行い、枠順や状態を見て、勝ち馬を選んでいきたいですね。