中央競馬

【中央競馬】高松宮記念 展望-大川馬天柳-

ロードカナロア
父:キングカメハメハ
母:レディブラッサム
母父:Storm Cat

2011年、史上7頭目のクラシック三冠ヒーローが誕生しました。そのヒーローの名はオルフェーヴルです。オルフェーヴルが活躍していた時期に、もう1頭スプリントで活躍していたヒーローがいました。そのヒーローの名はロードカナロアです。
ロードカナロアは2010年12月5日に小倉でデビュー戦を果たしました。当時、16頭立てでしたが、評価が非常に高く、ロードカナロアのみがオッズ1ケタ(1.2倍)の1番人気でした。実戦でも、逃げては最終直線であっさりと後続を引き離し、6馬身差の快勝でした。
3歳では、非重賞のオープン戦や条件戦を主に出走し、連対を外さない安定さをみせ、11月では、京阪杯に出走し、重賞レースに初挑戦しました。そして、1馬身以上の差をつけて1着入線し4連勝、重賞レースでも強さをみせました。
GⅠデビューを果たしたのは翌年2012年の高松宮記念でした。ここでもオッズ2.4倍の1番人気の評価を得ていました。先行策をとりましたが、時計のかかる馬場とハイペースに苦しみ、先頭のカレンチャンに詰め寄るも、差し届かず3着の結果になりました。しかし、その後も強さが衰えることなく、函館スプリントSやセントウルSでいずれも2着と好走しました。そして、スプリンターズSでは、最終直線で先頭を走るカレンチャンを抜き、逆転勝利、見事GⅠ初制覇しました。その後も快進撃は続き、今度は海外GⅠレースに初挑戦しました。当時、凱旋門賞並に優勝するのが難しいと言われていた香港スプリントに出走、世界屈指のスプリンターとの対戦でしたが、2馬身以上差をつけての勝利、日本調教馬初の香港スプリント制覇を達成しました。
翌年(2013年)に、2度目の高松宮記念に挑戦、この時オッズ1.3倍の1番人気と圧倒的な評価を得ました。そして、レースでも人気に応え、1馬身以上差をつけての勝利、秋春スプリント連覇を達成しました。

「手を挙げた、岩田康誠!世界のロードカナロアです!」

その後、安田記念にも挑戦、クビ差で勝利し、マイルでも強さをみせました。そして、2度目のスプリンターSでサクラバクシンオー以来19年ぶりの連覇達成、同時に史上4頭目となる同年の春秋スプリント制覇をしました。
ラストランは香港スプリント連覇の挑戦でした。当時のスプリントヒーローであってもスプリンターSの連覇以上にプレッシャーがあったかもしれません。しかし、そのプレッシャーを諸共せず、史上最高着差となる5馬身差をつけての圧勝、ヒーローは最後まで衰えを知らず、有終の美を飾りました。そのレースでは、ワールドベストレースホースランキングで128ポンドと評価され、これはスプリントにおいて史上2番目の評価になっています(1番はブラックキャビアの130ポンド)。2013年度の年度代表馬では三冠馬オルフェーヴルを抑え、選出され、スプリンターとしては初の快挙でした。2014年1月13日、京都競馬場にて引退式が行われ、スプリントヒーローとして別れを惜しまれながらターフを去りました。
引退後、種牡馬としても活躍します。牝馬三冠かつ芝GⅠ最多勝を達成したアーモンドアイをはじめ、高松宮記念と香港スプリントの父子制覇を達成したダノンマッシュ、皐月賞馬のサートゥルナーリアなど、GⅠレースで活躍した産駒を多く輩出しました。そして、昨年エリザベス女王杯を制したブレイディヴェーグなど今でも多くの産駒が活躍しています。

いよいよ、2024年の春のGⅠレースが本格的に始まります。今週は高松宮記念です。高松宮記念は古馬最強スプリンターを決めるレースです。しかし、中京芝1200mのコース形状上、スタート直後に下り坂に入るため、息が入りにくく、実際の距離以上のスタミナが求められます。また、最終直線の入り口まで下りが続くため、最後は切れ味というよりは持続力の勝負になるでしょう。途中、上り坂もあるため、駆け上がるためのパワーも必要です。
また、この時期は雨が降りやすく、馬場状態も変わりやすいため、読みづらいところもありますが、差し馬でも最後は比較的前ではないと上りを出せない馬は差し届かないこともあります。

メイケイエールは今回のレースがラストランです。これまでに重賞6勝を挙げ、2年前のセントウルSでは、レコードを出しましたが、それ以来、力を出し切れていない状態にあります。ここで勝利を挙げ、GⅠ初制覇で有終の美を飾れるか注目です。

-中央競馬