「今年の女王に輝く牝馬は?」
エリザベス女王杯は、牝馬の頂上決戦の1つです。もう1つはヴィクトリアマイルがあります。ヴィクトリアマイルとは、もちろん距離が違いますが、その他に違いを述べるとするなら、古馬に加え、3歳牝馬が参戦することです。3歳牝馬が加わることで、今年の女王は古馬が輝くか、それとも3歳牝馬がその座を奪うかヴィクトリアマイルとは楽しみ方が違ってくると思います。3歳牝馬はクラシック路線を終えたばかりであり、秋華賞から臨む馬がほとんどです。また、秋華賞を勝利した馬がエリザベス女王杯に挑戦することもあります。昨年は、スタニングローズが挑戦しました。今年は、秋華賞3着のハーパーが挑戦します。ハーパーは牝馬クラシック三冠に全て挑戦し、桜花賞4着、オークス2着、秋華賞3着と善戦しました。エリザベス女王杯で初の古馬対決になりますが、彼女の直向きで今回も善戦しそうです。また、血統的にも、ハーツクライ産駒は活躍しており、特に、ハーパーはストームキャットの血もあるため、このレースとは相性が良さそうです。
3歳牝馬といえば、ブレイディヴェーグも注目です。ローズSでは2着、秋華賞を回避してエリザベス女王杯に挑戦しますが、全てのレースで上り3F1位をマークする堅実な末脚を持つの馬です。どちらも2着でしたが、新馬戦とローズSでは、いずれも上り3Fを32秒台を出す豪脚を発揮しました。直線が平坦な京都では、さらに切れ味を発揮できそうです。また、外国人騎手が活躍するエリザベス女王杯では、牝馬クラシック三冠でハーパーに騎乗していたルメール騎手が今回、ブレイディヴェークに跨ります。今回、ローズS以上に期待が見込めそうです。
古馬では、因縁の2頭対決が見られそうです。1頭は牝馬三冠ジェンティルドンナの娘、ジェラルディーナです。ジェラルディーナはディフェンディングチャンピオンであり、今回は連覇がかかっています。エリザベス女王杯は前回のレースで3着以内に入ったリピーターが再び3着以内に入ることが多いレースであり、ジェラルディーナも該当します。ただし、今回は仁川から淀に舞台が戻ります。淀でも仁川のように最後はトップスピードを保つ持続力が求められますが、淀は直線が平坦になるため、切れ味勝負にもなります。今回は切れ味も発揮できるかにも注目です。
もう1頭は、ディヴィーナです。母は牝馬クラシック三冠でいずれも2着であり、牝馬三冠を勝ち取ったジェンティルドンナのライバル、ヴィルシーナです。また、父も母父もジェラルディーナと同じであり、対戦は初めてですが、まさに因縁対決と言ってもよい2頭です。ディヴィーナは、ヴィクトリアマイルでは豪脚を発揮するも、惜しくも4着と届きませんでした。しかし、その後、中京記念では2着、前哨戦である府中牝馬Sでは逃げ切り、重賞初制覇しました。鞍上は引き続き、デムーロ騎手ですが、エリザベス女王杯では阪神開催を含む過去10年で[2-1-3-2]と抜群の成績を残しており、心強さがあります。5歳になって、その良血は大器晩成なるか注目です。
【中央競馬】重賞ピックアップ-エリザベス女王杯・展望--大川馬天柳-