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【中央競馬】天皇賞(秋)-全頭診断--高町なのは-

天皇賞(秋)

東京2000で行われ,シンプルなコースとちょうどいい距離で行われることからメンバーレベルが高くなりやすいG1.例年は前半緩めのペースで3コーナーからロングスパートしていく後半1000m勝負になりやすいレースだが,ジャックドールが逃げることを考えると緩みないペースで,瞬発力勝負というよりは,白富士Sや金鯱賞のような持続力勝負になると考えられる.時計は1.57.0前後予想.

・アドマイヤハダル
1800を中心に使われていて,瞬発力勝負になった毎日王冠や関越Sで好走しつつも,上がりの掛かる鳴尾記念でも3着に入るなど,どんな競馬でも対応できる器用なタイプ.一方で最後の勝利が2年半前の若葉Sと勝ちきれないのは課題.メンバーが一気に強化されるので現状は厳しいと思うがうまく立ち回れれば穴をあけてもおかしくはない.

・イクイノックス
説明不用の最強馬.昨年までの体質が弱く,皐月では暴走するなど折り合いにもやや課題があったが,4歳時になってからは先行しても折り合いをつけられるようになり体質もしっかりしてくるなど本格化した印象.昨年の秋の天皇賞では瞬発力勝負で勝利したが、持久力になった宝塚記念や有馬記念でも完勝し,高速決着になったダービーも惜しい2着と現状は穴がない.

・エヒト
持久力勝負得意で,特に七夕賞や小倉記念のようなハイペースの高速決着での好走歴が多く,今回の条件には合致している.一方で,持ちタイムを見ると1.57.8が3回あることからこの時計が限界と考えられ,今回のメンバーだと見劣りしそう.

・ガイアフォース
国東特別の1.56.8は驚異的で,馬場が早ければ早いほど好走するタイプ.ベスト距離は1800-2000だが,馬場が早ければセントライトやマイラーズのようにある程度の距離の融通が利く.逆に時計の掛かるAJCCやオールカマーでは凡走していて,陣営も返し馬の段階から走りづらそうとコメントするなど,馬場に左右される馬.逆に早い馬場なら,国東特別のような持久力勝負もマイラーズCのような瞬発力勝負もこなしており展開に左右されにくいのは大きい.時計の早い決着になれば.

・ジャスティンパレス
3歳夏までは微妙な成績だが,夏超えて本格化.さらに陣営は有馬の後にもう一段階成長したとコメントしており間違いなく今が充実期.タイプとしては勝った阪神大賞典や神戸新聞杯,天皇賞春のような,ペースが落ち着くレースで好走しており,逆に有馬記念や宝塚記念のような持久力勝負ではやや苦戦する傾向に.今回はペースが速くなると予想されるので,レースの質としては合わないかも.仮にスローになったとしても33秒前後の上がりが求められる展開では今回のメンツ相手だと分が悪いかも.

・ジャックドール
今年の大阪杯の覇者で,大阪杯を勝つまでは一貫して2000を使い続けてきた2000のスペシャリスト.安田記念でキレ負けしたように瞬発力勝負は厳しいが,大阪杯や金鯱賞のように,ハナを奪って前半緩みないペースで後続に足を使わせて自分は前で粘る持久力勝負にはめっぽう強い.昨年の札幌記念では控える競馬で勝利するなどハナにこだわるタイプではないが,持ち味を生かすためにはハナベスト.きれいな走りをすることから道悪はダメで,馬場が早ければ早いほど走るタイプ.東京は向く.

・ダノンベルーガ
左回りのワンターン,1800-2000がベストの馬で今回はドンピシャ.ただ,強い内容だった共同通信杯とドバイターフの内容を考えると重い芝向きの可能性も.体質が弱いのが難点でなかなかレースを使えず,間隔があいたドバイターフでは明らかに前半が鈍くなるなどベストな状態でなかなか使えなかったが,ここにきて調子も上げてきている.前走の札幌記念こそ4着に敗れたが,ベスト条件とは程遠い舞台で,スタートに挟まれる不利,勝負所で垂れた逃げ馬に壁を作られる不利などで終始悪い馬場を通らされたなかの結果であり,内容としてはかなり評価できるものだった.

・ドウデュース
昨年のダービー馬.国内では中山阪神東京小倉と走って馬券を外さないなどどんなコースもこなす器用なタイプ.ただ緩いペースだった皐月賞や弥生賞では勝ちきれず,ペースの流れたダービーや京都記念で完勝したように,ペース流れた方がいいタイプで,ジャックドールがいる今回は展開が向きそう。距離も2000はベストで,休み明けが影響しなければダービーの再現ができても.

・ノースブリッジ
軽い芝の東京を中心に使われてきたが,勝ったレースは馬場が渋った時や中山など時計の掛かる馬場で,重い芝向き.高速馬場の持久力勝負になった大阪杯では完敗していることから,今回の条件はちょっと合わないかも.

・ヒシイグアス
2年前の中山記念,昨年の宝塚記念が優秀で,内容から高速馬場の持久力勝負向き.宝塚記念後は重度の熱中症で長期休養したものの,復帰戦で中山記念を完勝するなど完全復活.ただ,大阪杯では仕上がらず負けるなど調整の難しい面はあるかも.7歳馬ということでスピード勝負では厳しい気もするが,レース数はあまり使ってこなかったのとベストな条件ということで侮れない一頭

・プログノーシス
2000を中心に使われてきた馬で,スタートが課題なことから毎回追い込み競馬になる.時計の掛かる馬場で好走例が多く,中日新聞杯のように上がりの掛かる馬場でも33秒台の末脚を繰り出せるのが強み.また,札幌記念での特殊馬場で圧勝した内容から道悪の鬼で,時計が遅ければ遅いほど得意な可能性が高い.一方でレコード決着となった毎日杯で分かりやすく負けていることを見ると,高速馬場の東京はあわないかも.ただ,川田騎手騎乗時は勝率100%でここにきて本格化してきた可能性も高く,高速馬場を克服しても不思議ではない.

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