ダイワスカーレット
父:アグネスタキオン
母:スカーレットブーケ
母父:ノーザンテースト
半兄はGⅠ5勝をあげたダイワメジャーです。12戦8勝、12戦12連対で、これはシンザンの19戦19連対に次ぐ生涯連対を達成しています。
2006年11月19日、京都でデビューしました。その日は半兄のダイワメジャーもマイルCSに出走予定でした。新馬戦では、先団に位置し、向正面でウインスペンサーが中団から捲っていくと、ハナを切っていたコスモグルミットが後退し、先頭にたちました。最終直線では、ウインスペンサーが喰い下がるも、粘りの走りをみせ、途中後退していたコスモグルミットの盛り返しも抑え、1着入線。半兄ダイワメジャーもマイルCSを優勝し、同日に兄弟揃っての優勝が実現しました。その後、中京2歳Sで連勝しますが、シンザン記念でアドマイヤオーラの2着になり、3戦目で初めて敗れました。チューリップ賞では、生涯ライバルになるウォッカも出走。ウォッカが1番人気で、ダイワスカーレットが2番人気でした。レースでも最終直線で脚を使って伸びてくるウォッカとの追い比べでクビ差の2着に敗れました。その後、ウォッカとともに牝馬クラシック一冠目の桜花賞を迎えました。チューリップ賞を制したウォッカが1番人気に推され、その次に阪神JFで2着、フィリーズRで1着のアストンマーチャンが2番人気、ダイワスカーレットはその次の3番人気でした。向正面でスタートし、アマノチェリーランがハナを切りしばらくすると、中団からアストンマーチャンが抑えきれず、2番手まで迫りました。ダイワスカーレットもアストンマーチャンに続き、3番手集団に上がり、抜け出しの準備に入りました。最終直線では、残り200mで内にアストンマーチャン、外にウォッカ、間にダイワスカーレットの3頭の追い比べになりましたが、早めに抜け出し準備にかかったダイワスカーレットが先頭にたち、ウォッカの1馬身半離して勝利、皐月賞を勝利した半兄ダイワメジャーとともにクラシックを制覇しました。
「クラシック兄弟制覇、ダイワスカーレットです!」
その後、オークスに出走予定でしたが、発熱により出走回避。秋まで休養をしました。秋では、ローズSから始動しました。休み明けでも問題なく、ローズSを制し、その後の秋華賞で再びウォッカとの勝負になりましたが、1着入線で三冠目を手にしました。そして、エリザベス女王杯でもスイープトウショウなどメンバーが揃いましたが(ウォッカは跛行により出走回避)、最後まで逃げ切って勝利し、ローズSから3連勝を果たしました。有馬記念では、ウォッカと4回目の勝負とともに、半兄ダイワメジャーとの勝負も実現しました。最終直線でマツリダゴッホに押し切られ、2着と敗れましたが、3歳牝馬による有馬記念2着は、ヒシアマゾン以来13年ぶりでした。
翌年2008年では、ドバイ遠征の計画が立てられていましたが、調教中に目のケガを負い、計画は白紙になりました。4月の産経大阪杯でその年の始動戦になりました。ここでも最後まで逃げ切って勝利。ヴィクトリアマイルを目標に調整を続けましたが、大阪杯で力を大きく発揮してしまい、その反動で脚のケガを負い、秋まで休養を余儀なくされました。秋では、天皇賞(秋)に出走しました。そのレースではウォッカも出走、生涯最後の勝負になりました。結果はウォッカがダイワスカーレットと2cm差の勝利、およそ13分の写真判定の結果、ウォッカに軍配があがりました。このウォッカとダイワスカーレットが戦った天皇賞(秋)は、今でも名レースとして語り継がれています。ダイワスカーレットはその後、2度目の有馬記念に出走、1馬身以上の差をつけて逃げ切り、37年ぶりの牝馬優勝を果たしました。翌年2009年に再びドバイ遠征の計画が立てられましたが、浅屈腱炎を発症し、計画は取り消し、引退が決定されました。
引退後は繁殖牝馬として、11頭の仔を産みました。そして、昨年2023年12月31日をもって繁殖牝馬を引退しました。
いよいよ今週からクラシックレースが開幕します。1戦目は牝馬三冠の一冠目、桜花賞です。桜花賞はイギリスの1000ギニー競走に範を取り、創設されました。最もスピードがあり、一冠目を手にするのはどの牝馬でしょうか。
桜花賞は前走同じコースに出走した馬が好走する傾向にあります。例えば、トライアルレースであるチューリップ賞、2歳女王を決める阪神JFが桜花賞と同じ阪神芝1600mコースですが、近年ではリバティアイランドのように阪神JFからの出走馬の活躍があります。また、阪神JFだけではなく、クイーンCなどのトライアルレース以外のレースからの出走馬の優勝もあり、チューリップ賞から出走した馬の優勝は2016年のジュエラー以降ありません。
過去10年の桜花賞で優勝した馬は全て前走3番人気以内かつ3着以内と高い評価を得て、結果を出しています。
出走登録段階で、2歳女王を手にしたアスコリピチェーノが桜花賞で始動予定です。一冠目を手にして無傷の4連勝達成なるか注目です。
アルテミスの女王、チェルヴィニアも桜花賞でケガから復帰予定です。ルメール騎手鞍上予定でしたが、残念ながらドバイで落馬負傷し、しばらく騎乗できません。もし出走するなら、乗り替わりになりますし、休み明けでも走ることができるか鍵になります。
3戦連続上り3F1位をマークし、前走クイーンCを制したクイーンズウォーク、6戦全て複勝圏内のコラソンビート、レジェンドを背に、チューリップ賞で後方からごぼう抜きし、1馬身以上つけて勝利したスウィープフィートもGⅠ初制覇なるか注目です。